1996

思い起こせば、それほど純粋ではなかったかもしれない、無邪気だった日々。「1996」は、かつて一瞬、美を見出したがゆえに生まれたメランコリックな感覚を、香りというスナップショットとして表現しています。

あのとき体験した陶酔感を香で表現した「1996」は、近寄りがたい美を湛え、深い緑色を帯びジュニパーベリーのトップノートで幕を開け、濃密で柔らかいバイオレットへと移り変わります。

表面に立つ香りの裏側では、スパイスの効いたスモーキーなレザーアコードが温かなブラックアンバーと絡み合い、ほのかな官能を呼び起こします。

ラストノートは、ノスタルジックなセピア色に染まったほろ苦い思い出を癒すかのように、パウダリー調のバニラが漂います。